大壕(おおほり)公園で出逢ったホームレスのおじさんが教えてくれたこと、、、。
ホームレスを体験すると、ものの存在が大きく見える。


福岡市の中心部に大壕公園という、大きな公園があり、デートスポットとしても有名ですが、昔(29年前、、サニーが8才の頃)、黒マントというニックネームのホームレスのおじさんがいました。よく学校をさぼって、ひとりで遊んでいた私は、ある日、このおじさんから、現代社会で、生きていくための、貴重な知恵を授かりました。

最初に彼に会ったのは、宝亭(たからてい)という、公園内の休憩所の横の手洗い場でした。彼は手洗い場で、洗濯どころか、周りを気にせずに、堂々とフリチンで全身を洗っていました。

そのワイルドさに、幼い私は感動というか、「そういうのも有りなんだ。」って思わされました。発想の転換というか、自分が思いっきりさえよければ、目的が達成できるのならば、手洗い場で体も洗える!自分次第で、常識の枠を越えれるんだと感じました。

彼が体を洗い終わって、服を着てしまうまで、ジッとみていたので、彼も私のことが気になったみたいで、「なんかお前はっ!?(標準語訳:なんだお前は?)」とすごんで私に怒鳴りました。私は怒鳴られても、何と答えようもなかったので、「な〜んもなか?(標準語訳:なんでもない。)」と素直に答えました。そして、今度は私から、「おいちゃん、ここに住んどうと?(標準語訳:おじさんはここに住んでいるの?)」と私の方から質問しました。それから、いろんな質問を続けているうちに、だんだんと親しみが湧いてきたのか、私が未来において経験していくであろう現実、その当時の社会の苦しさや、家族の不安定な生活、借金のつらさとなど、人生に起こるさまざまな苦難を次から次に話してくれました。あまり難しかったので、ハッキリと全部は覚えていませんが、微かに覚えていることは、、、、。

1、「本を読め」
2、「自動販売機と公衆電話の返却口は必ずチェックしろ!」
3、「総菜屋さんには笑顔を絶やすな」
4、「酒一滴でも、集めれば一升になる」
5、「女には逆らうな」
6、「親兄弟は他人の始まり」
などなど、8才の私にコンコンとこのような内容を自分の経験談を混ぜて、何度も何度も話してくれました。

その後、16才になって、自分が本当にホームレスを体験し、黒マントの教えを信じて、快適なホームレスライフを送りました。今思うと、道具のないキャンプみたいで、楽しかったのを覚えています。

それから、友人の誘いでディスコのダンサー兼、皿洗い兼、便所掃除兼、コック見習いになり、短期間に今の実生活で必要な、調理方法、掃除の仕方、酔っぱらいの相手?、正しい女性との付き合い方、労働の意味、リズム♪を勉強しました。

8才当時の経験が^、16才で活かされ、レスキュー隊になっても活かされ、37才の今でも活かされています。何でも、ものごとを経験するというのは、本当に貴重なことなんだと痛感しました。

この先、社会的にホームレスになっても、熱帯雨林のジャングルの中に迷い込んでも生き残れる、社会環境と自然環境のどちらの環境にでも対応できるサバイバル方法を身に付けている私は、死ぬまで自分がやりたいことをやる自信があります。この自信は、あの黒マントのおじさんからのプレゼントとして、私の一生の宝物と思い、大事にしています。

皮肉なことなんですが、私がレスキュー隊になって、大堀公園での水難事故に出動し、うつ伏せで浮いている老人の遺体を発見したんですが、その遺体は、あの黒マントのおじさんでした。年を取って、洗い場に足が届かなくなり、池で体を洗っていて、誤って溺れたみたいです。当時、小隊長だった私は、込み上げる熱いものを感じながら、陸まで引き上げ、警察に引き渡しました。もしかすると、彼は私にとって、天使だったのかも知れません。


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